自筆証書遺言書を書いて遺すには、注意が必要です。
遺した人が、 やがて亡くなったときにその遺言書が無効と判断され、なんの役にもたたないとなれば眼をおおうばかりです。
亡くなった人にもう一度書き直して欲しいと願っても、もうその人はいないのですから。
とすれば、自筆証書遺言書を作成して、自分の相続人の一人に財産を全部あげたいとか、一部だけをあげたいとか、または相続人以外の人へ財産をあげたいと思ったときはその遺言書の記載方法は民法で定められたルールにしたがって無効にならないように作成することになります。
遺言書を遺さなければ相続財産は法定相続分どおり、たとえば妻と子供2人であれば妻は2分の1、子は2人ですから残りの2分の1を2人で分けてそれぞれ4分の1の相続分です。
それで納得すればよいのですが、この兄弟間で争いがあれば、つまり兄が結婚して 独立してマイホームを新 築する際に、生前父からその費用を援助されて いたら、 法定相続分どおり4分の1では弟は不公平として公平 なるよ う遺産分割協議を求めてくることもあります。
合意できなかったときは 家庭裁判所へ弟から遺産分割調停申立をする可能性も出てきます。
調停 が不成立になれば、審判そして最後には訴訟へと 進んでいくこともないとはいえません。
よくいわれる「相続」が「争続」へ変化する場面です。
このようなときこそ遺言書を遺す必要があるのです。 兄の相続分を、援助した金額分を減額し、その分、弟 の相続分を増加させるなどの遺言を遺しておけば「争続」の可能性を未然に防ぐことができます。
しかし、
このように気配りしてせっかく作成した遺言書 も無効となれば無意味になります。 そこで自筆証書遺言書を無効にさせないためには、 次のことを守って作成しなければなりません。
1、自筆証書遺言書に書く文字は最初から最後まで全文、 自分自信が書くことです。
自分自身で書くのではなく誰か他人に書いてもらった遺言書は無効です。
ワープロで書いても無効です。
やがて遺言書が遺言者の真意によって書かれたものか争いになったときに遺言書が本人の筆跡によるものかどうか,これによって判断するためです。
ですから自分で最初から最後まで全文自書するということは 厳格に要求されています。
2、書いた日の日付も自分で書きます。
理由は遺言書の作成時を特定させ,そのときの遺言者の遺言能力の有り無しを判定するときの基準となるもの だからです。
また、遺言書は自由に何度でも書き直してよいものですが,最後に書かれた日付の遺言書が有効になりますから、その先後を判断するためにも日付の記載は重要なのです。
年月日で記載し、それは元号でも 西暦でもかまいませんが、 たとえば
「平成26年7月吉日」では遺言書の作成日を特定で きないとして最高裁判例で無効とされています。
吉日とはいつ ぞや、ということでしょう。
習慣として高齢者の方がよく書いてしまうそうです。
注意が必要ですね。
3、自分で署名することです。
署名とは自分の字で自分の氏名を遺言書に書くとです。
その筆跡が本人(遺言者)の真意を確認する判断資料になります。
判例では遺言者が誰であるかわかれば芸名でも通称でもよいと されていますが不動産の登記申請に際して法務局では認めてくれ ない場合もあるそうですから戸籍謄本に書かれた氏名をもちいた方が無難です。
4、押印 普通は署名のあとに印鑑を押します。
実印でも認め印でもよいのです。
拇印でも有効との最高裁の判例もあります。
ただ真意を高めるためにあえて実印を押印してその印鑑証明書を封筒に入れておく人もおられます。
署名のあとに印鑑を押印しないで、遺言書を入れた封筒に封印をした場合も押印の要件を満たすとの判例があります。
5、どのように記載するか。
遺言書が数枚に及ぶときは契印がなくともよいとの最高裁判例があります
が後日争いを防ぐためにも契印は押印しておいたほうがいいですね。
数字は金額 や不動産を表示する場合は123の 算用数字よりも壱弐参の漢数字の方を用いたが読み間違いが少ないように思います。
しかしそれでも現在は算用数字が主流のようです。
なお、自筆証書遺言書はかならず封筒に入れて封緘しておかな ければならないものではなくて、 遺言書をクリアフアイルに挟 んでおいても遺 言書の効力の問題はありませんが、誰にもみられたく ないとか、変造などを防ぐためには封筒に入れて封緘しておいた方がよいかと思います。
夫婦が連名で一つの遺言書を作成されてる場合がありますが民法には共同遺言禁止の規定があって、これも無効とされますから夫婦別々に遺言書を作成する必要があります。
6、自筆証書遺言書の訂正で済ますことはできますが、訂正方法、これがなかなか厳格で複雑です。
誤記をしたらはじめから書き直したほうがよいかと 思います。
元の文言を訂正したり削除した場合にその方法が 民法の規定にしたがったものでないときは、その 訂正や削除、加筆する前の文言が有効とされる場合があります。
7、その他 民法では自筆証書遺言書に遺言者の住所を書くことは要件になっていないせいか、住所が書 かれていない遺言書をみかけます。
もちろん書かれていなくとも無効ではないのですが 実務上、遺言者はどこの誰なのかという特定 性の問 題が生じる場合がありますから住所は書いておいたほうがこれも無難です。
次は一般的な遺言書の文案です。
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遺言書
遺言者0000は、次のとおり遺言する。
1、土地建物の不動産はすべて妻0000へ相続させる。
2、株式会社0000銀行000支店の預金はすべて長男 0000へ相続させ る。
3、0000信用金庫の預金はすべて長女0000へ相続 させる。
4、祖先の祭祀を主宰するものとして長男0000を指定 する。
平成26年7月27日 東京都中央区中央1丁目1番1号
遺言者 0000 印
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これは相続人が遺言によって相続する場合の 遺言書です。
この遺言書のなかに書かれてるように「相続させる」との記載をしたときは遺言執行者を選任する必要もなく、たとへば不動産を相続することになった妻は子供たちの協力(印鑑証明書や委任状、登記するための合意書)は必要なく妻が単独で法務 局へ登記申請して自己名義にすることができます。
預金の解約や相続人への名義換えも同様に単独でできるのが原則です。
当相談室では、公正証書による遺言をおすすめしております。
自筆証書遺言はおすすめは、しておりません。
それは、亡くなった後に発見された自筆証書遺言は無効になる場合が多いとされているからです。
せっかく、家族を想い、遺言書を残しても、亡くなった後に、無効となれば、取り返しができません。
そこで、無効とはならない遺言公正証書を残されることを、おすすめをしております。
遺言公正証書をお考えの際は当相談室へご相談ください。
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